最新情報 2006/9/13
禁煙外来について
禁煙外来すなわち卒煙外来を始めました。外来の内容をお伝えします。喫煙はニコチン中毒が本態であり、難治ではあるが達成可能な慢性疾患と定義されます。英国では1990年代末から公費により禁煙指導を支援しています。本邦でも健康保険で禁煙指導が行えるようになりました。基本的には外来は無制限ではなく、5回に制限されております。問診があり、回答如何によっては健康保健が使用できず自費になることがあります。説明する事項が多く時間が掛かりますため、初回のみ診察を個別に設定しております。30−40分程必要です。これも健康保険で行います。診察は毎回指導と評価があり、このため禁煙日誌を活用しております。毎回まず呼気中の一酸化炭素濃度を測定(義務)して禁煙状況の評価に用います。喫煙者の呼気一酸化炭素濃度は高値で大気汚染の2−4倍の濃度となり驚かされます。患者さんの多くが誤解しておられるのがニコチンに関してです。患者さんはニコチンを摂取してはならないと誤解しておられます。そうではなく治療にはニコチン摂取を併用する、しかもニコチンパッチ(ニコチンが入っている張り薬)、ニコチンガムの双方を使用しつつ卒煙を達成することになります。ニコチンパッチは健康保健が利きます。多い量から始め、減量してまいります。原則は2ヶ月でニコチンパッチは終了ですが、これでは急な喫煙衝動に対応できないため、ニコチンガム(自費)の携帯が6ヶ月ほど必要です。ニコチンガムの使用方法には指導が必要で、安易に行うとガムの副作用と無効性が強調されることになります。ニコチンパッチの使用も誤解が多く、夜に貼付しますと不眠の原因となります。入浴との兼ね合いが難しいのですが、朝貼付して入浴時には剥がすのが良いとされます。夜の喫煙衝動にはガムを使用することになります。この様に行いますとニコチンを使用しない場合と比べ卒煙達成率は倍になるとされます。費用は初診料、再診料、管理料、薬剤費と処方料が必要ですが自費時代から考えれば当然廉価です。料金の概算はお問い合わせください。喫煙の怖さはニコチン成分にあるのではなく、タバコに含まれるタールなど煙成分にあるのです。
石綿(アスベスト)による健康被害(アスベストーシス)
最近テレビ、新聞紙上で石綿による健康被害が取り上げられています。石綿は優秀な断熱材、電気絶縁体として知られ、
船のボイラー室や消防隊隊員の断熱服など広く使用されてきました。また身近な建物にも使われており、学校の天井などに
使用されていたことが過去に問題とされました。更には日曜大工の建材にも使用された事があります。多くの場合は、
石綿組織を職業性に吸い込んだりして発病しますが、工場で石綿組織が付着した作業着を従業員が自宅に持ち帰り
家族が吸い込んだりして発病する事が知られており、取り扱いが厄介です。私の経験例では自宅の前に石綿工場
があり、工場内で長年遊び、後に発病した姉妹の例がありました。この方たちに石綿と関係はありませんか?
とお尋ねしても当初職業上の関わりを意識されており、強く否定されておられました。後に職業としては関係ないが
実は家の前が工場であったと申告があり、ようやく関連が判明しました。当時は危険である意識が無かったのです。
引き起こされる病気は間質性肺炎(肺線維症)、中皮腫(良性、悪性がある)が主ですが、この内、悪性中皮腫の発生
が特に問題です。通常発病までには長い期間を要し、数十年の期間を要することもあります。中皮腫は主に胸膜と腹膜
にも発生しますが、悪性中皮腫は胸膜由来が多いとされます。症状は胸水が溜まれば呼吸困難を生じ、胸膜の病気ですから
胸痛もよく認められます。悪性胸膜中皮腫は現時点で手術が確実な治療法であり、早期発見が肝要です。
胸部単純写真では、プラークと呼ばれる胸膜の肥厚ないし石灰化が石綿を吸収して形成された所見として知られています。
頚動脈エコー検査法
狭心症や心筋梗塞、脳梗塞は動脈硬化を基盤に発症することが多く、予防の意義が強調されています。直接動脈内部を観察
して動脈硬化の程度を観察できる方法が頸動脈エコー検査法です。当院では、動脈硬化が疑われる患者さんに積極的に
推奨しています。検査は特殊な準備は必要なく、無痛です。妊婦検診でエコーを当てて赤ちゃんを観察する要領です。
医師は頸部の血管に器具をあてて観察し記録します。時間は10分から長くて15分程度です。この検査で大切なことは頸部
動脈の所見は心臓の冠状動脈や脳動脈の硬化を反映する鏡であることです。すなわちコレステロール検査など併用すれば
硬化性血管病変のリスク評価に大変有用であることになります。この検査の結果が不良な方では、発病にいたらないように
薬が開始されます。